01 Magazine
25.04.19
【用語比較】NOSとデッドストックの違い
NOSとデッドストックはいずれも未使用のヴィンテージアイテムを指し、市場でほぼ同じ文脈で語られることが多い。
ただし両者のフォーカスには明確な違いがある。
NOS
NOSは、その名前が示すとおり「New Old Stock=新品のまま古くなった在庫」のことで、流通を一度も経ずに長期間保管され、なおかつ該当モデルがすでに廃盤になっている点に重きが置かれている。たとえばある年代にだけ製造されたデニムが、その後再生産されずに倉庫の奥から発掘されるケース。この場合、製造当時の裁断や縫製、オリジナルラベルの状態まで完璧に保たれていることがNOSの希少価値を支える最大の要素となる。
デッドストック
一方デッドストックは、本来は市場で販売されることを前提に流通に乗ったアイテムが売れ残り、そのまま倉庫やショップに残っていたものを指す。ここでの主眼は「流通経路を経たうえで売れ残った在庫」であるという点にある。しかしヴィンテージコレクターの間では、デッドストックという呼び名が「売れ残り=ネガティブ」というイメージを超えて、「希少な廃盤品を掘り出すチャンス」というポジティブな評価につながっている。
用語の比較
両者を混同せずに理解するポイントは、NOSが「未だ一度も市場に出ていない廃盤品」であるのに対し、デッドストックは「一度は市場に出た後で残った在庫」という流通経緯の違いにある。両者ともに価値が認められるため、使い分けの必要はないかもしれないが、細かなところまで理解し、ヴィンテージを楽しみたいコレクターにとっては、必須の情報かもしれない。