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モールスキンジャケット

モールスキンジャケットって何?

現代で一番有名なユーロワークといえば、フランスのモールスキンジャケットである。こちらは当時、鉱山で炭鉱夫が着用していたジャケットで、モールスキンという丈夫な素材を使用している。モールスキンとは、綿を原料とする生地の一種であり、1800年から1950年ごろまで、フランスのワークジャケット(作業服)などによく使われていた。モールスキン(mole-skin)は、その名の通りモグラ(mole)の肌(skin)のように、上品な光沢感とわずかな起毛を持つ厚手の素材である。横繻子織と呼ばれる非常に丈夫な織り方で作られている。

生産された年代

 1910~1970。(7)

モールスキンの特性

モールスキンの特性を掘り下げると、横繻子織(よこしゅすおり)は、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を5本以上使用して織る織物組織の一種であり、繻子織(しゅすおり)は、平織り、綾織り(斜文織り)と並ぶ織物の三原組織(基本となる3つの組織)の一つで、「サテン」とも言われている。1950年以降は徐々に生産量が少なくなっていったことから、現在では希少な素材である。モールスキンの代表的な色は、フレンチブルーと呼ばれる青色である。他にも、黒色のモールスキンは希少で、ルミナスイエローのような暖かみのあるカラーのモールスキンも存在する。モールスキンが人気の理由の1つは、経年変化を楽しめることである。デニム同様に、着ている頻度や着方、洗い方などによって様々な表情を見せてくれる。

モンサンミッシェルのモールスキンジャケット

モールスキンを使ったアイテムで一番有名なのは、モンサンミシェル社のモールスキンジャケットである。1930年代から1940年代の1番の特徴とも言える刺繍タグ、カーブした襟、Vステッチポケットがある。モンサンミッシェルのタグは40年代ごろまでは刺繍のタグで、その後はプリントタグに移行していった。ナイロンタグも存在する。ポケットの違いやステッチの違いで年代を判別することが可能である。年代が古いものは小ぶりでV字型をしていることが多く、さらに古いものはポケットの下が角ばってなく、丸くラウンドしていることが特徴である。50年代までいくとカンヌキと言われる補強のための縫い方が横になり、肩のステッチやアームホール、後ろ身頃は30年代ごろまではシングルステッチ、40年代頃からは強度を上げるためにダブルステッチに変わる。

モンサンミッシェルの歴史

モンサンミッシェルは1913年にモン・サンミッシェルの近くで営むことから「Le Mont St Michel」という名で服飾製造メーカーを始めたと言われている。当時は調理服や農作業服などのワークウェアを主に製造していたが、現在ではレディースのニットを扱うメーカーとなっている。

参考

  1. 57-rue-de-rome.【保存版】ユーロヴィンテージとは?ユーロ古着の特徴を解説,(参照 2024-03-05).
  2. 57-rue-de-rome.【素材・生地】モールスキンとは?知っておきたい古着の知識,(参照 2024-03-05).
  3. wikipedia.繻子織,(参照 2024-03-05).
  4. 57-rue-de-rome.40s Le Mont ST Michel Moleskin Jacket,(参照 2024-03-05).
  5. gochic.モンサンミッシェルのブラックモールスキンジャケット 年代判別のイロハ,(参照 2024-03-05).
  6. feeet2.sblo.jp.no.391,(参照 2024-03-05).

smallchange.フランスヴィンテージの中でも高い人気を誇る、モールスキンジャケット,(参照 2024-03-05).

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