01 Magazine

24.03.15

【Sears】【ブランドの歴史】Searsって何?

【Sears】【ブランドの歴史】Searsって何?

Searsって何?

Sears, Roebuck and Co.は、アメリカ合衆国の小売業者であり、一時期は世界最大級の小売業者として知られていた。カタログ販売で名を馳せ、後には多数の店舗を構えるまでに成長した。Searsはアメリカの消費文化に大きな影響を与え、多くのアメリカ人の生活に密接に関わっているブランドである。

創業契機

1886年、アメリカは38州から成り、人口は5800万人で、その約65%が農村地帯に住んでいた。この時代に、ある日、シカゴの宝石会社が金張りの時計をミネソタ州の小さな町の宝石商に送ったことから、Searsの創業につながる一連の出来事が始まった。リチャード・シアーズは、ミネソタ州ノースレッドウッドのミネアポリスとセントルイス鉄道の駅員として働いていたが、隣町の宝石商が必要としなかった時計を手に入れ、これを売り利益を得て、更に多くを再販することから、事業がスタートした。

創業者の出会い

1887年、シアーズはビジネスをシカゴに移し、時計職人を求める広告を出したところ、アルヴァ・C・ローバックが応募してきた。これが二人の出会いであり、1893年には会社名がSears, Roebuck and Co.になった。

成長

リチャード・シアーズの広告の才能により、初期は時計や宝石のカタログだけだったが、1895年までには532ページに及ぶ多様な商品を扱うカタログを作成。これがSearsの急成長の基となった。

小売業への進出

1925年、Searsは初の実店舗を開設し、都市部の顧客を対象に事業を拡大。この動きは、ロバート・E・ウッド副社長の下で加速され、1931年には小売売上が郵便注文売上を上回った。

1980sから今日に至るまで

1980年代初頭、Searsは大規模な再構造を行い、保険業務や不動産業務など多角化を進めた。しかし、1990年代に入ると、不採算部門の整理や事業の再集中により、再び小売業に注力する方針を打ち出した。1999年には、Sears.comを通じてインターネット販売にも力を入れるようになった。

時系列

  • 1863年12月7日: リチャード・ウォーレン・シアーズが、ミネソタ州スチュワートビルで、ジェームズ・ウォーレンとエリザ・シアーズの間に生まれる。
  • 1886年: リチャード・ウォーレン・シアーズが鉄道会社を退職し、ミネアポリスに移り、R.W. シアーズウォッチカンパニーを設立し、時計販売事業を始める。
  • 1887年: 会社がシカゴに移転し、アルヴァ・C・ローバックが入社する。
  • 1893年: 社名をSears, Roebuck and Co.に変更し、創業地はシカゴとなる。
  • 1895年: メールオーダービジネスの拡大のため、500ページ以上に及ぶカタログを制作し、ジュエリーや時計だけでなく、様々な日用品を取り扱うようになる。この時期、新たなパートナーとしてジュリアス・ローゼンウォルドが入社し、後に副社長兼財務担当となる。
  • 1900年代初頭: ローバックが健康上の理由でセミリタイアするが、社名はそのまま維持される。更なる資金調達のために、会社は公開される。
  • 1908年: 健康問題により、リチャード・ウォーレン・シアーズが退職し、ジュリアス・ローゼンウォルドが社長に就任する。
  • 1914年: リチャード・シアーズが亡くなる。
  • 1924年: ジェネラル・ロバート・E・ウッドが副社長として入社する。これは、ライバルであるモンゴメリーワードのマーチャンダイジングマネージャーを務めていた人物の加入であった。
  • 1925年: Searsが初の実店舗を開設し、カタログによるメールオーダーからの大きな方向転換を図る。この変化は、自動車の普及と人口動態の変化により、田舎の顧客も都市部に移動する時代の到来に対応したものであった。
  • 1928年: ロバート・E・ウッドが社長に就任し、ジュリアス・ローゼンウォルドは会長に退く。
  • 1929年: 世界恐慌が始まる。セミリタイアしていたローバックが財政的な理由でSearsに戻り、亡くなるまで創業者の一人として活動を続ける。
  • 1948年: アルヴァ・C・ローバックが亡くなる。

参考

Magazine一覧に戻る