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【古着のトリセツ】古着にまつわる 素朴な疑問を解決する デニムとジーンズの 違いって何?

そもそもデニムって何?
定義としては厚手の丈夫な綿織物で、 一般には経糸に20番手(短繊維の太さの単位) より太い
インディゴ染めの糸 緯糸に白の晒し糸(漂白した着色前の糸) を使う綾織を指す。
表に経糸の風合いが強く現れ 裏側に緯糸の色が出るため白っぽくなる。
デニムとは一般的に、縦糸にインディゴ糸 横糸に白糸を使用した織物を指す。
デニムの語源は どこからきてるの?
アメリカのイメージが強いデニムだが デニムの語源は実はフランスにある!
17世紀フランスのニーム地方では、 絹を中心に織物業が盛んに行われていた。
やがて帆船などの生地としてインディゴに染め上げた 安価で丈夫なコットン生地が生産されるようになると、 18世紀には海外へと輸出されるようになる。 結果としてニーム地方は綾織物の生産地として有名に。 ニーム産の綾織物はserge de nimesと呼ばれた。
『セルジュ・ドゥ・ニーム』
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『ドゥ・ニーム』
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『デニム』
では、ジーンズって何? その語源は?
定義としてはデニムなどの 厚手の生地を使用して作ったズボンのこと!
ジーン(jean)という織物で作られた服が語源。 このジーンはイタリアの港湾都市 「ジェノバ(Genova、英語ではGenoa)」
から来ている。 この都市の丈夫な綾織りの綿織物が 開拓時代の米国に渡って重宝されるようになった。
デニムは生地を指しているのに対しジーンズはズボンを指す。 なお1567年に文献に初めてジーンズという言葉が登場する。
ニーム産とジェノバ産の 織物の違いは?
ニームで生産された織物は ジェノバ産織り(ジーン)を模倣したとも言われ、 この二つはよく似ている。
ジェノバ産ジーンズは1567年 ニーム産デニムは1695年に 当時の文献にも初めて登場していることから
ジェノバ産はニーム産よりも100年以上も前に誕生している! ただ、ジーンは後染めで藍色1色のみであるため
経糸と緯糸で異なる糸を使い分けるデニムとは 異なっていることがわかる。
当時のデニムとジーンズは染色するまでの工程が違う。
デニムは先染めした糸を織り上げる製法 ジーンズは織り上げた後に染める製法。
日本では『ジーンズとデニム』 2つの呼び名があるのはなぜ?
ジーンズは1960年代初頭から輸入され始めたが そこから80~90年代にはリーバイス501が爆発的ブームに!
この過程では呼称はジーンズだったと言われている。 仁欺(じんす)という漢字があてられていたとも言われる。
ジーンズは大衆化へと向かうが、 オシャレに気を遣う人々は同じ製品を ジーンズではなくデニムと呼ぶようになった。
セーターをニットとズボンをパンツと 呼び始めた流れと同様の流れである。
参考
FUDGE.jp, フランスのニーム発祥、今では世界じゅうの人々に親しみのある「デニム地」【お洒落さんのためのファッション用語辞典 vol.04】
繊研新聞社, 《デニムいろいろ物語-1》その由来、500年前のイタリアにさかのぼる
ラジトピ, 「ジーンズ」と「デニム」の違い、説明できますか?メーカー担当者「混同には違和感があります」
Tshirts.st, デニムとジーンズの違いとは?デニム生地が活用されている代表的なアイテムをご紹介
Amina Flyers, デニムが生まれたのはいつ?どこで?デニムの歴史を辿ってみた!
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