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大戦モデル
1942年から1945年にかけてのリーバイス501ジーンズ、通称「大戦モデル」は、第二次世界大戦の物資統制による影響で数多くの変更が施された。モデル名は「501XX」から「S501XX」へと変更され、「S」は「Simplified(簡素化された)」を意味する。この時期には、物資統制とベルトの普及に伴い、シンチバックが廃止された。また、股部分の補強として使用されていたリベットも省略された。
リベットの材質は、銅製から「鉄製の銅メッキ」に変更され、1947年頃までこのデザインが続いた。リベットの刻印も、小文字の「o」から大文字の「O」に変わった。1946年以前は、フライ部分の先端が切りっぱなしになっていた。ボタンには、伝統的な社名入りボタンに加えて、市販の月桂樹ボタンやドーナツボタンが使用された。1942年から1945年の間、糸の代わりにペンキでプリントされたバックポケットのステッチが見られた。
ウォッチポケットを補強するリベットも一時的に省略され、スレーキ(ポケットの裏地)にはヘリンボーンやネル生地が使用された。紙パッチの採用もあり、オイルコーティングされた紙パッチが後期型に見られた。デニムのオンスに関しては、12.5オンスから13.5オンスに上げられたという都市伝説があるが、その真偽は不明である。
1946年は過渡期とされ、1945年9月2日の終戦後に物資統制が終わり、多くのディテールが以前の仕様に戻り始めたが、混乱によりディテールが混在している場合もあった。この時期のリーバイス501は物資統制下での創意工夫と適応の歴史を物語る貴重なアイテムとして、現在でも多くのファッション愛好家やコレクターに高く評価されている。
参考文献
フルギブログ「リーバイス501の歴史