ミリタリーの用語一覧

  • 【ECWCS(Extended Cold Weather Clothing System)】

    ECWCSは、アメリカ軍が開発した極寒地向けの層別防寒システム。レベル1からレベル7まであり、それぞれ異なる気候条件下での保温性や防水性、透湿性を提供する。このシステムにより、兵士は極端な環境下でも適切な体温を維持できる。

  • 【ウッドランドカモ】

    ウッドランドカモ(ウッドランド・パターン)とは、アメリカで考案された迷彩パターンのひとつであり、1981年から2006年まで用いられた全軍の標準的なパターンである。いわゆる迷彩柄の一種であり、砂色、茶色、緑色、黒色の4色からなる、不規則な形状の斑で構成されてる。他にもダックハンター、リーフパターン、タイガーストライプなど、時代や目的によって様々なパターンの迷彩柄が存在する。

  • 【M-51(フィールドジャケット)】

    M-51フィールドジャケットは、1950年代にアメリカ陸軍が採用。M-65(フィールドジャケット) の前モデルであり、シンプルなデザインが特徴で、長めの丈と大きなフロントポケットが特徴的。このジャケットは後にモッズ文化に取り入れられ、ファッションのアイコンともなった。

  • 【M-54(オーバーコート)】

    M-54オーバーコートは、冬季の極寒地域での軍事作戦を想定して開発された。このコートは厚手の生地で作られ、保温性を最大限に高めるためのデザインが施されている。軍のみならず、民間でもその暖かさから高く評価されている。

  • 【M-35(デニムプルオーバー)】

    M-35デニムプルオーバーは、アメリカ軍で使用されたデニム製の作業用ウェア。軽量で耐久性に優れ、作業の自由度を高めるためにシンプルなデザインが採用された。このアイテムはミリタリーファッションの中でも特に珍しく、ヴィンテージ市場では高い人気を誇る。

  • 【M-41(フィールドジャケット)】

    M-41フィールドジャケットは、第二次世界大戦中にアメリカ陸軍が採用した。軽量で着心地が良く、前面にはボタン式のフラップポケットが特徴。シンプルながらも実用的なデザインは、戦時のみならず平和時のアウトドア活動にも適している。

  • 【M-45(フィールドパンツ)】

    M-45フィールドパンツは、厳しい冬季の野外活動を想定して設計された軍用パンツ。保温性と耐久性を兼ね備えており、特に戦時の厳しい条件下での性能が評価されている。現代でも、その機能性からアウトドア愛好家に選ばれている。

  • 【M-43(HBTジャケット)】

    M-43 HBT ジャケットは、第二次世界大戦中にアメリカ陸軍が採用したユニフォーム。耐久性が高く、活動しやすいデザインで、特にHBT 生地が使用されていた。戦後も長く愛用され、現在ではヴィンテージファッションの一環としても人気。

  • 【M-47(フィールドパーカ)】

    M-47フィールドパーカは、冷戦初期のアメリカ陸軍が採用した冬用アウター。厚手の生地とフード、大きなポケットが特徴で、極寒地でも高い保温性を提供する。このパーカはその機能性により、現在でも冬のアウトドア活動に適している。

  • 【M-42(HBTジャケット)】

    M-42 HBT ジャケットは、耐久性に優れたHBT 生地を使用し、特に作業用として開発されたミリタリージャケット。ポケットは実用性を考慮した大きさで、ミリタリーファッション愛好家の間で根強い人気を誇る。

  • 【A-2(デッキジャケット)】

    A-2デッキジャケットは、米陸軍が第二次世界大戦中に採用した防寒ジャケット。耐久性に優れたキャンバスまたはウール素材で作られ、海上での長時間作業に適している。その実用性と耐久性から、現代でもミリタリーファッションの定番アイテムとして人気がある。

  • 【OG-107】

    OliveGreen, Shade No.107の略でオリーブグリーン(Olive Green)の頭文字と米軍のカラーコード、あるいはそのカラーを使用したコットンサテン製のシャツやパンツのこと。シャツについては、OG-107ファティーグシャツと呼ばれ、1960年代から1980年代にかけてアメリカ軍で広く使用された。シンプルなオリーブグリーンのデザインは、その後のミリタリーファッションに大きな影響を与えた。耐久性と汎用性の高さから、今日でも多くの人々に愛用されている。

  • 【ガスフラップ】

    生地を継ぎ足してガスの侵入を防ぐミリタリージャケットやパンツ見られるディテール。ガス兵器に対しての防御策として考案された。兵士の中には、邪魔なので取ってしまう人もいたと言われている。

  • 月桂樹ボタン
    【月桂樹ボタン】

    月桂樹の模様が入ったボタンのこと。元々はアメリカの軍衣料で使用されていたが、第二次世界大戦中には、物資不足を理由に、軍衣料以外でも採用された。Levi'sの大戦モデルでも使用されている。

  • 【コットンサテン】

    コットンサテンは経糸密度多いのが特徴。織物組織のため表地の80%が経糸が浮いており表面に艶が出る。また朱子織組織のため平のような硬さがなく滑らかな風合いになる。コットンは、光沢が出にくい素材であるため、光沢を出すためにシルケット加工、又は超長綿を使う必要がある。1954~55年に米軍は戦闘服の生地をHBTからコットンサテンに変更。その色調は初期において、OG-7、その後OG-107へと変更になった。

  • 13スターボタン
    【13スターボタン】

    アメリカ独立時の州数である13個の星が刻印されているボタン。50年代頃まで使用されていた。ベイカーパンツ、HBTジャケットなどに付属する。

  • 【6カラーデザートカモ】

    米軍が湾岸戦争のときにU.S.M.Cが砂漠用迷彩柄として採用。通称『チョコチップ』や『6カラーデザートカモ』と呼ばれる。チョコチップのようなデザインを砂漠の小石に見立てていると言われる。米カリフォルニア州モハーヴェ砂漠をモデルに開発された柄。

  • 【CPO(Chief Petty Officers)】

    CPOとは「Chief Petty Officers」の略称であり、アメリカ海軍下士官のチーフを意味する。1930年代からアメリカ海軍下士官チーフが着用していたジャケットのことをCPOジャケットと呼び、戦後1960〜1970年代にファッションアイテムとしても流通した。なお戦闘服ではなく作業服である。CPOジャケットは、水に強く保温力の高いメルトンウール生地、胸に大きめのフラップ付きポケット、前ボタンつきのシャツのようなデザインが特徴的である。

  • 【スラントポケット】

    斜めに取り付けられた胸ポケット。戦闘で体を伏せた場合でも物を取り出しやすい仕様。ジャングルファティーグジャケットにみられるディテールで、第二次世界大戦中のM-42、通称エアボーンジャケットから引き継がれたと言われている。(参考, slut, waiper)

  • 【タイガーストライプ】

    1950年代後半に東南アジアの密林での近距離戦闘用に南ベトナム軍が開発された迷彩柄(参考:Hi-smile)。ジャングルに適したこの迷彩パターンはベトナム戦争時にアメリカ軍も採用し、その後は、他の東南アジア諸国の軍でも採用された。ベトナムの宗主国であったフランス軍のリザード迷彩(参考:いつだってミリタリアン, 2023-12)がベースになったと言われている。

  • 【ダックハンター】

    ダックハンターはアメリカ軍が初めて採用した迷彩パターンであり、第二次世界大戦中に開発された(参考, Acorn)。擬態能力をもつカエルの皮膚を真似て開発されたことから、フロッグスキンとも呼ばれる。M1942スポットパターン迷彩が起源となっており、1942年に海兵隊のユニフォームとして初めて採用された。

  • 【ドレンホール】

    直訳すると水が抜ける穴。ジャングルファティーグジャケットのウエスト部分のポケットなどに見られる仕様。亜熱帯のスコールを想定して作られた。

  • 尿素ボタン
    【尿素ボタン】

    尿素ボタンは、1920年頃にドイツで開発された、尿素とホルムアルデヒド水溶液の合成樹脂で作られたボタンである。成型が容易で大量生産に適していることから米軍では1930年代から1950年代にかけて広く使用された。尿素ボタンが使われた米軍の代表的なアイテムに「M-45 KHAKI CHINO TROUSERS」、「M-47 BAKER PANTS」や「U.S. NAVY DENIM SAILOR PANTS」がある。硬く、熱に強い特性のため、耐久性に優れており、実用性が高い。また、滑らかな手触りで光沢があり、高級感のある外観を備えているにもかかわらず、 比較的安価に製造できた。これらのデザイン性や歴史的背景から、現在でもヴィンテージ市場で高く評価されている。(参考画像, instagram)

  • 【BDU(Battle Dress Uniform)】

    BDUとは「Battle Dress Uniform(=戦闘服)」の略である。アメリカ軍における陸軍・海軍・空軍の戦闘服を統一するために開発され、1981年から正式採用されている。コットンやナイロンなどの生地に太い繊維を格子状に織り込んだリップストップ素材、4つのフラップ付きポケット、肘部分の二重布、前ボタンが隠された比翼仕様などの特徴がある。(参考画像, waiper, 2024/09)

  • 【HBT】

    ヘリンボーンツイルの略で、ニシンの骨に似た形状の模様が特徴的な綾織り生地。この模様は、英語でヘリンボーン(ニシンの骨)と称され、その独特な外観が名前の由来となっている。日本では杉綾織とも呼ばれ、山型の連続した模様が杉の枝ぶりに見えることからこの名が付けられた。織り方は、タテ糸とヨコ糸を特定のパターンで交差させることにより、非常に頑丈で柔らかな風合いを持つ生地が生み出される。元々は旧式のワーキングユニフォームやミリタリーウェアで使用されることが多かったが、その耐久性と特徴的な見た目から、現代でも多くのファッションアイテムに採用されている。(参考画像, instagram)

  • 【リップストップ】

    リップストップとは、太い繊維を格子状に縫い込むことで、引き裂きや破れを防げるように強度を高めた生地のことである。一部が破れても、その太い繊維によって裂け目が広がらないようにできている。強度を必要とするミリタリーウェアに使用されルことが多い。1968年から製造された4thジャングルファティーグは代表的なアイテム。その他にもアウトドアウェアでも広く採用された。(参考画像, instagram)

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